ニュースレター「オックスフォード英語について」を掲載しました。
Oxford English
皆様はOxford Englishと聞いてどのようなイメージをお持ちでしょうか。オックスフォード大学の訛りであり「英語のバリエーションのひとつ」と考えられる人々もいるのではないかと思います。発音がきちんとわかりやすく上流階級で話されるアクセントをイメージする人も多いと思います。又、このアクセントで教育する語学校も散見されます。この英語が「バリエーションなのかどうかの議論」は別として、研究者によっては意識して「学会ではOxford Englishを話す人」もいる様です。
しかし、研究者にとって「話し言葉」よりも「書き言葉」でのOxford English (略号en-GB-oed)の方が重要になります。これはイギリスのジャーナルでは投稿規定内で「オックスフォード英語(略号en-GB-oed)の指定があること」もあるためです。
これまで「英国人の校閲済み」の論文で「査読者から綴りや句読法の誤りを指摘された経験」はございませんか? 再チェックしても、イギリス英語の綴りや句読法に間違いはないのに、「何故?」と疑問をお持ちのお客様はいらっしゃいませんでしょうか?
🔷イギリスの一部のジャーナルでは「投稿規定の言語」のところ」に「Oxford English(略号en-GB-oed)とすること」と明記されています。Oxford Englishは標準イギリス英語と異なります。特にNature等で指定する「Oxford English(略号en-GB-oed)」 には特徴があります。これはあらかじめ把握しておかないと対応ができません。
🔷Nature や系列の学会誌等で求めるOxford English(略号en-GB-oed)は、イギリス英語とアメリカ英語の混合型(mixture)に見えますが、これは「Oxford spelling」 「Oxford (or serial) comma」と呼ばれるイギリス英語のひとつスタイルです。いわゆる学会誌で嫌う混合型(mixture)ではありません。この綴り(略号en-GB-oed)は「Nature誌」の他に、「王立協会の哲学、生理学雑誌」等の学術出版物、及び「国連システム内のほとんどの国際機関」でも使用されています。
ややこしくなり申し訳ございませんが「新聞社で使用するOxford Englishは」この綴りを使用しない別のものです。又、オックスフォード大学でも「スタイルガイド2016年(最終更新版)」によると内部使用では「-izeはつかわないこと」を推奨しているそうです。今、ここで話題にしているのは、論文で使用するOxford English(略号en-GB-oed)です。Oxford spelling can be recognized by its use of the suffix ize instead of -ise: organization, privatize and recognizable instead of organisation, privatise and recognisable. The spelling affects about 200 verbs, and is favoured on etymological grounds, in that -ize corresponds more closely to the Greek root, -izo, of most -ize verbs. The suffix -ize has been in use in the UK since the 15th century, and is the spelling variation used in American English.
The use of -ize instead of -ise does not affect the spelling of words in British English that end in -yse, such as analyse, paralyse and catalyse, which come from the Greek verb λύω, lyo, not from an -izo verb.
標準イギリス英語 | オクスフォード英語 | アメリカ英語 |
---|---|---|
en-GB | en-GB-oed | en-US |
analyse | analyse | analyze |
behaviour | behaviour | behavior |
centre | centre | center |
defence | defence | defense |
globalization | globalization | globalization |
realise | realize | realize |
オクスフォード式綴り(Oxford spelling)はオクスフォード英語辞典(OED)およびその系統の辞書など、オクスフォード大学出版局から出ている書籍で用いられている英単語の綴り。略号en-GB-oed。ほぼイギリス式だが、ギリシア語-ιζεινに由来し「~にする」という意味の接辞を -ise でなく -ize とする点が異なり、 analyse, paralyse, catalyse など -yse で終わるものは -yze とはしない。
英文校正に出される前に、依頼先が上記のような知識をもって対応できるかどうか事前のご確認をお奨めします。
Dolphinでは経験豊富なネイティブチェッカーが上記を含め様々なニーズに対応しています。
ここまでオックスフォード英語の主な特徴についての説明をしてきましたが、実際は、上記以外にもオックスフォードコンマ等のいろいろな特徴があります。これからNature等に投稿を予定されている研究者の皆様は、下の05 House Styleのアドレスをクリックして、その詳細をご確認されることをお奨めします。
Oxford University Press (05 House Style)
(オックスフォードイングリッシュの指定は、医学系の学会誌で多く散見されています)
(注記) 余談ではありますが、研究者の皆様のご利用されているオックスフォード英語とは異なる新聞記事等に使用されているオックスフォード英語が別に存在しています。どちらかというと標準英国英語に近いものであり、研究論文向けではありません。新聞記事等に使用されているオックスフォード英語の方のSTYLE GUIDEのアドレスも貼り付けておきます。
University of Oxford Style Guide
(補足) オックスフォード英語にはカナダオックスフォード英語というものもあり、医学系の学会誌で、事務局より「カナダオックスフォード英語が指定された事例」がありました。これはカナダ英語が市民権をもちつつある現象のひとつと言えます。カナダの編集者の間では、カナディアン・オックスフォード・ディクショナリー(Canadian Oxford Dictionary)の「Editing Canadian English(カナダ英語で編集)」の章を参照するケースが多い様です。
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